在校生・卒業生の声
高校から建築を学んだ理由
在校生の声
東京科学大附属で建築を学ぶ在校生の声を紹介します。
身近なものが建築に!
皆さん建築といえば何を思い浮かべますか?世界や日本で有名な建築物,複雑な構造,形など,様々だと思います。ですが,建築物の元となるモチーフや考えは単純だったりします。身近なものが建築になる楽しさや驚き,自分の理想の空間が表現出来た時の嬉しさなど,建築にはいくつもの魅力があります。普段から身の回りのものや出来事,空間に対して視点を変えて捉えてみると想像力が広がり,さらに建築が好きになると思います。描くことや作ることが好きな人にぴったりな分野です!
(15期女子 森咲月さん)
建築デザイン分野では総合的に考える力が養えます!
建築デザイン分野では,「つくる」事を目的としているため,デザインし,図面を書き,模型を作ったりします。絵を描く事や,工作が好きな人には最適な分野です。また,建築は,私達の一番大切な「生命」や「家族」を包み込み,無駄なものを省いて必要最低限の材料で,構造や強度においても合理的な設計を行う必要があります。そのために,技術の事だけではなく,法律や人々の心理にも精通しなければなりません。世の中に役立つ仕事です。建築デザイン分野であなたの感性を磨きましょう!
(15期男子 安保賛さん)
イイ空間がつくりたい!
自分の場合は,小さいころから鉄道や飛行機など,のりものが好きで,外に出るのも大好きでした。外を歩いていると,どうしてか気に入ってしまう場所があって,無意識のうちに気に入ってしまうような空間が作りたい,と思って,建築の分野に入りました。自分の専門領域があって,いつもそれに触れていると,物事の見方が変わってきます。
東工大附属という学校そのものがそうですが,普通の高校では考えられないようなことを平気で授業でやってしまうので,自分たちがすごいことをしている実感があって,とっても楽しいです♪
(16期男子 綾部右京さん)
建築学生になろう!
建築デザイン分野では計算,製図,模型の作り方などの建築に関わる様々なことを基礎から学ぶことができます。建築の学習は「なぜそうなるのか」を自分の頭で考え学びを深められ,身近な建物に込められた工夫が分かるようになってきました。また,多くの生徒が自主的にコンペティションに参加し力を伸ばしています。提出期限と試験期間がかぶると日程調整が大変ですが,朝や放課後に時間を見つけて取り組むことで,先を見通した時間管理や計画性が身につきました。習ったことを活かしつつ1から作り上げていき,イメージが形になっていく様子に達成感が得られます。
(16期女子 清水月乃さん)
自分の未来を創る場所!
建築デザイン分野では,建築物の計画,力学などの計算や模型製作,製図などを幅広く学ぶことができます。先生方も専門的な知識をもった方ばかりで,授業を通してレベルの高い指導を受けることができます。さらに,東工大との高大連携教育によって,東工大の先生方の講義を受ける機会も多く,さらに詳しく専門分野の学習をすることができます。実際,自分自身も講義を通して興味深いと感じた分野を見つけ,課題研究,将来への見通しの一つとなりました。漠然と建築が好きな人でも構わないと思います。ぜひ,建築デザイン分野に入り,色々な学習を通して自分の未来像を創ってみるのはでどうでしょう。
(17期男子 岸本颯馬さん)
日々の生活に建築を!
建築デザイン分野では、建物の設計やデザインだけでなく、構造や材料、環境、力学、法律など多くのことを学びます。そのため、私は建築を学んだことで、普段から見ている建物や地域の見方が変わり、街を歩いているだけで、「きっとこの建物はあの構造だ!」とか「あれをイメージした設計なのかな?」とか「どうしてこの形なんだろう」という、発見や具体的な想像ができるようになりました。気になる場所があったときは、放課後に先生の所へ行くと、会話を楽しみながら学びを深めることができるので、とても楽しいです!
(17期女子 佐藤亜紀さん)
卒業生の声
東京科学大附属高校で建築を学び,夢をつかんだ先輩たちからのメッセージ。建築デザイン分野を選んだ理由や当時の思い出,そして今を語ります。
(所属は寄稿いただいた時点のものです)
将来に繋がる学習ができる場所。
昔からものづくりが好きで、中学生の時に参加した体験授業をきっかけに、東工大附属高校の建築デザイン分野への進学を志しました。その頃の動機は「体験授業の模型づくりが楽しかったから」という些細なものでしたが、この分野で学ぶ中で「都市」や「建築」の持つ、他の工業系の分野には見られない多面性に引き込まれていったように思います。
多面性がある,ということは同時に,それだけ多くのことを学ぶ必要がある,ということです。例えばある都市に住宅を建てようようと思った時,平面上の部屋の配置だけでなく,人が心地よいと感じるための「色」,「採光」,「通風」,「素材」,安全な「構造」,様々な「スケール」,用いられる「システム」,その都市が持つ「歴史」,周辺の「環境」などについても考える必要があります。
私は,東工大附属高校の建築デザイン分野で,たくさんのインプット・アウトプットの機会に巡り合うことができました。座学では様々な事例をもとに,法規や構造について学ぶことができ,製図の授業やコンペティション,課題研究では,それらを活用した設計課題に取り組むことができます。
高校時代に得た引き出しや表現方法の数は,大学生になった今でも大きなアドバンテージになっています。建築デザイン分野は,「具体的な将来が決まっていないけれど,なんとなく都市や建築に興味がある」という方に強くおすすめできる分野です。
(湊菜々子さん・令和5年3月卒・茨城大学 工学部 都市システム工学科)
建築の土壌を耕した場所。
私は中学生の進路選択の時期に,今まで生きてきた中でワクワクした事は何だろうかと振り返ると,幼い頃に出かけた様々な「街並み」の美しさや人々の活気に興奮した事を思い出しました。街並みを構成しているのは「建物」であると考え,まずは建物から学ぼうと思ったのが建築分野を志したきっかけです。
東工大附属の建築分野に入ると,都市計画,設備,構造力学など建物や街を支えている様々な分野を専門の先生方のもとで学ぶことができました。当時は各教科のテスト勉強に追われ,多くの知識を整理するのに苦労したのを覚えています。しかし,高校で建築分野の基礎知識を学んでいたおかげで,大学進学後の学び方に余裕ができ,建築計画,都市計画,意匠(建築のデザイン),構造,材料などの各分野を横断して建築を考えられるようになりました。例えば,現在大学では設計製図という授業で自由設計を行っているのですが,対象敷地が抱える問題の解決,魅力的なデザイン,建物を支える構造,街並みの景観など様々な視点で総合的に考える事が求められています。そのような時に,高校で学んだ基礎的な知識と大学進学後に自ら得た新しい知識を組み合わせる事で,設計が充実したものになっていると感じています。
卒業してから,東工大附属で建築に対して熱意を持って学んでいた同級生と,建築について語り切磋琢磨した日々がとても充実した時間であったことに気が付きました。東工大附属は自分が学びたい事を自由に学び,幾らでも高く飛んでいける場所であると思います。
(銅前茉莉花さん・令和2年3月卒・東京工業大学 環境・社会理工学院建築学系 学士課程)
自分だけの“建築”を見つけられた場所。
中学生の頃,まちづくりに興味があったこと、高専への入学を希望していたことから,親の反対を押し切り本校を受験,入学しました。結果的に,現在の自分の道を決定づける選択だったと思います。本校では 2 年次から専門的な学習を行いますが,加えて希望することで,独自の研究を行う機会や,それを発表する機会にも恵まれます。私の場合は,2 年次に他校で行われる研究発表会に参加することを目指したのがはじまりでした。自分が興味を持っていることは何なのか,高校生の自分はどの程度のことまで実践できるのだろうと,1ヶ月ほど考えました。その時に採用されたものが,私が今でも大学院で研究を続けている「貝殻の形は建築物に応用できるのか?」というテーマです。
ほとんど誰も研究をしていなかったテーマで,そもそも貝殻の形の強度はどのくらいなのか?というところから研究を始めました。高校生の頃はノギスを使って貝殻を計測していました。大学院生になった今では X 線 CT 装置を用いた計測をしています。それでも,集めてきた貝殻を綺麗に洗うことから始まるところは同じです。今年でこの研究をはじめてから 7 年目ですが,まだまだわからないことだらけで,毎日貝殻のことを考えています。一般的に思い浮かべる建築とは異なる研究ですが,私にとっては立派な建築学で,私だけの特別な建築です。
長く続けているとそれだけで強みになります。高校生の頃から同じテーマで研究をしていると言うと,興味を持ってくれる人がたくさんいます。本校では 1 年次はすべての分野の生徒が混ざって学習するため,幅広い視点を持つこともできます。他分野の友人とも連絡を取り続けており,様々な分野で活躍する友人を見る度に,自分の視野も広がります。私のテーマも,建築だけを学ぶ場では考えつかなかったかもしれません。みなさんも東京工業大学附属科学技術高等学校で,自分だけの特別な人生のテーマを見つけてみませんか?
(生越季理さん・平成27年3月卒・新潟大学大学院 自然科学研究科社会基盤・建築学コース 博士後期課程)
キミの"色"が輝く場所。
小学生の時に自宅を新築したことが建築に興味をもつきっかけでした。中学生のときに漠然と進学先を考えていた時に,興味のある建築を学べる環境を魅力的に感じ,受験をしました。
入学後は,豊富な知識をもつ建築分野の先生方にご指導いただく中で,建築の魅力をより深く知ることができ,より好きに,より夢中になりました。普通科の高校では確実に味わえない,楽しく充実した高校生活を送ることができました。その後,日々の授業で取り組んできた成果を生かして,指定校推薦にて建築学科のある大学へ進学しました。大学では,建築デザイン分野で学んできた基礎知識がとても有益で,その知識をベースにしながらより専門的な知識を効率よく身に着けることができ,東工大附属を卒業して良かった!と心から思っています。大学院進学後は,建築材料学を専門とし,鉄筋コンクリートに着目した研究を行っています。日々黙々と活動する中で,大きな成果が出たり,その成果が世の中の役に立ったときはとても充実した達成感を味わうことができます。
大学・大学院での学習では,東工大附属での3年間の学習と直結していると感じています。今でも東工大附属で学んだ基礎的な科学・技術の知識が,より専門的な学びとなる大学院でのベースとなっています。また,ここで出会った友人は,同じ専門性を身に着けた一生の宝となります。これらは普通科高校では得ることができません。専門性を身に着けられる東工大附属で過ごしたからこそ得られることが将来につながります。中学生の皆さん,高校生のうちから,キミの"色"を存分に輝かして過ごしませんか? 東工大附属高校で専門性を身に着けて,自らの思い描く明るい未来へ羽ばたいてみませんか?
(小林謙祐さん・平成27年3月卒・東京理科大学大学院 理工学研究科建築学専攻 博士後期課程)